どうも@akirasiraです。
自分が常識だと思っていることが実は嘘だったということはありませんか?
ぼくはこの本を読んで、今まで常識だと思っていたことがことごとく嘘であったことを知りました。
たとえば、”ワークライフバランス”だとか”理想的なリーダーが持っているリーダーシップ”など。
疑う余地もないほど日常生活に浸透していたことが、実は真っ赤な嘘なのです。
常識を疑え
厄介なのは、何かを知らないということではなく、知っていると思いこんでいることがまったくの的外れだということである。
冒頭このような文章からこの本は始まります。
著者はマーカス・バッキンガムとアシュリー・グットールの2人。
マーカスはデータオタクでアシュリーは巨大企業の世界の住人であるという自己紹介。
このことが示すとおり、本書ではデータに基づいたいくつもの現実を紹介してくれています。
全世界で20%
なんとやる気のある労働者は全世界で”20%”に満たないそうです。
みなさんはこの20%に入っているでしょうか?
なぜ嘘がまかり通っているのだろうか
ではなぜ嘘がまかり通っているのでしょうか。
それは”組織の管理欲求を満たすために定着した”というです。
つまり、嘘をみんなが信じている方が管理しやすいということですね。
ちなみに9つの嘘とは下記のとおりです。
1.どの会社で働くかが大事
2.最高の計画があれば勝てる
3.最後の企業は目標を連鎖させる
4.最高の人材はオールラウンダーである
5.人はフィードバックを求めている
6.人は他人を正しく評価できる
7.人にはポテンシャルがある
8.ワークライフバランスが何より大切だ
9.リーダーシップというものがある
みなさんはいくつ信じていましたか?
どれも根拠がありそうな”常識”ですが、じつはすべて嘘だというのです。
1章から3章までは、なぜわれわれにここまで一方的に押し付けられているのか?
4章から7章では、どうやったら自分や周囲の人の力を最大限に伸ばしていけるか?
8章では、仕事と私生活のバランスではない全く別の目標が示されており
9章ではリーダーシップではなく、誰かの心を動かすときの起こる変化を新しい観点から見ていくという構成です。
何でもできる人 VS これしかできない人
印象に残ったのが、4章の「最高の人材はオールラウンダーである」でした。
これはすごい共感できるところが多くありました。
人はそれぞれ個性を持っているはずなのに、組織の中にいると、平均的ですべてをそつなくこなす人材を作ろうとする傾向があると感じました。
できている得意なところではなく、できていない苦手な部分の指導を多くするという経験からも大変共感できる内容でした。
最高の人材は「オールラウンダー」ではなく「尖っている」人なのです。
平均とは単なる数学的概念でしかなく、物質的な世界には存在しません。
つまり、それぞれの持っている特徴を活かすことが必要で、凸凹のピースがハマるようにチームを設計しなくてはならないのです。
チームメンバーが多様であればあるほど、チームはオールラウンダーに近づいていくのですね。
自分の特異な能力とはなんだろう?チームの特異な能力?ということを考えながら読み進めることができました。
また、リーダーはそれぞれの個性を活かすべきですが、チームとして目指すべき方向は同じにしないといけません。
バラバラな個人をどうやって活かしながらまとめていくか?というところが手腕の見せ所なんですね。
バランスなんか取れるわけない
さらに衝撃だったのが第8章の「ワークライフバランスが何より大切だ」でした。
最近よく聞く”ワークライフバランス”という言葉が嘘だというのです。
それはなぜでしょうか。
そもそもワークもライフも1人の人間の中で起こっていることです。
つまりすべてが繋がっているので、切り分けて考えること自体が間違っているのです。
人に寄って喜びを感じるポイントも違います。
家族と過ごす時間を何よりも大切にする人もいれば、ハードな仕事に喜びを感じる人だっています。
バランスではなく仕事に”愛”を見つけることが大切だと書かれていました。
つまり”ワーク”と”ライフ”のバランスではなく、”好き”か”嫌い”かの2つなのです。
なにを愛し、なにを嫌うか?自分の心の動きをよく見ることが大切です。
リーダーシップなんてない
最後の章である「リーダーシップというものがある」というところも印象深く残っています。
なぜならば世の中にたくさんの”リーダーシップ”に関する本が溢れているから。
そもそも優れたリーダーには共通の能力があるのでしょうか?それは持って生まれた資質なのでしょうか?
答えはNOです。
リーダーとは資質ではなくフォロワーが抱く感情なのです。
つまり、フォロワーが「この人についていきたい」という感情なのです。
フォロワーがいないとリーダーにはなりえないのです。
それは戦略やビジョンでは引っ張ることはできません。
リーダーとは導く力があるのではなく、ただフォロワーがいる人のことを指すのです。
まとめ
今まで常識と思っていたことがまったくの嘘であると書かれた本書。
感情論での展開ではなく、きちんとした研究から出された論理的な解説によって一つずつ嘘が暴かれていきます。
うなずいてしまう内容ばかりでしたが、では今日から自分はどうするか?という視点で読むことができ大変おもしろい一冊です。
すべての働く人が読めば納得してしまう”超現実論”で書かれた本です。